そこは動植物にとって生育に良く、そこに住むと健康に暮らすことができる場所。
人にとって心地良い場所。
逆に、住むと不健康になってしまいやすいのが「ケカレチ【気枯地】」といわれています。
例えば、古い寺社仏閣に行くと爽快感を味わうこともあるかと思います。
名刹古刹は、もともとその多くが「イヤシロチ」に建てられています。
もともと良い場所に神聖な建物を建てる。
そしてそこに多くの人が集まってくる。
そのような場所では、なんとなく心地良さを味わうことができるのです。
今まで記載したことは、もしかしたら眉唾に聞こえるかもしれません。
しかし、この点に注目し、土地環境を改善する方法を研究された半世紀前の物理学者がいます。
それが、楢崎皐月(ならさき さつき)先生です。
楢崎先生がどのような方であったかご紹介します。
もともと、電気工学が専門で、20代で特殊絶縁油を開発するなどして活躍され、軍に重用されていたようです。
戦中、陸軍からの要請を受け、満州の製鉄試験所長として赴任し研究に従事されました。
そのさなか、同じ資材でできた工場で同じ鉄鉱石を使って製鉄をしているにもかかわらずその品質に差異が出ることに着眼されました。
土地環境が何がしか影響を与えていることに気づきがあったそうです。
そして、戦後の食糧難の時代、農作物を増産させる研究に重視しているさなか、土地環境の研究を行い、大地電位の分布実地調査を行いました。
12000箇所もの土地を電気的に調査し、土地には良し悪しがあることを突き止められました。
先述の「イヤシロチ」といえるような土地は約15%、逆に「ケカレチ」は30%その中間は55%であったそうです。
そして、イヤシロチでは地表から地中への地電流の流れがあり、電流量も多いこと、「ケカレチ」ではその逆であり、中間地では上から下、下から上の流れる部分が混在している、ということを明らかにされました。
そして、その大地電流の流れを整え、環境改善する方法論として炭素埋設法を研究されました。
今、全国各地で「埋炭」が行われていますが、多くはこの研究の流れを汲んでいます。
楢崎先生はこの研究を進め「静電三法」という書籍を発刊。
その教えを世間に伝えてくださいましたが、まだまだ知らぬ方が大半といえるでしょう。
なお、本書籍には面白い現象が紹介されています。例えば、
・イヤシロチに住まわれる人は健康的であったがケカレチでは病気の人が多い。
・イヤシロチの牛舎では飼料の腐敗が遅く、牛の乳量はケカレチと比較して多い。
・寺社仏閣を多く調査したが多くがイヤシロチに建っていた。
新しく建てられた学校用地を調査したところほとんどがケカレチだった。
その他、12000箇所もの検証を実施したうえでそのような傾向があることを発見されました。
これらは、酸化と還元を理解すると分かりやすくなります。
この件はまた別の機会に触れたいと思いますが、現実に「場」がそこに生活する生物に影響を与えている可能性は高いと思われます。
そのことを知っている方は多くありません。
しかし、今でも「パワースポット」という言葉を耳にするように、人が潜在的に場の影響を感じていることは現実なのではないでしょうか。
その場を改善することができればそこに住むだけで健康に近づく人も増えていく。
理想的だとは思いませんか?