「場」が健康に影響を与えている

10年以上昔の話ですが、鎌倉に移住された老夫婦の話を伺ったことがあります。
その方は、鎌倉に移住した理由について一言「健康を回復したいから。」とお話されていました。
その理由を聞きそびれてしまったのが心残りですが、鎌倉が健康回復に適し移住にふさわしい場所だという認識をもたれていたのは間違いありません。
実は、鎌倉は三方が山に囲まれて一方に海が開けている環境です。
山から風が吹き、水(海)が動く、ということから風水学の観点からも良好な環境といわれているそうです。
鎌倉では武家政権初めて幕府が開かれましたが、単に守りやすいというだけでない理由があったとも考えられます。

また、こんなこともありました。
ある会社の会長のご自宅に訪問したときのことです。
会長は90歳近くでしたが大変お元気でした。その時、会長からこんなことを言われました。
「ここらは老人もみんな元気なんだよ。実際、昔からここは通称“長寿村”と言われていて・・・
そのお話が印象的だったため、今も耳に残っています。

今考えてみると、これらは「場」の重要性を教えてくれていたのですね。

おそらく、昔から「長寿村」と伝わっているような場所は、探せば色々なところにあるのではないでしょうか。
遠い祖先の時代から、民間伝承的に健康長寿な場所があるという現実を見ると、土地環境の影響を侮るべからず、という気がします。

住む「場」で、健康に暮らせるか不健康になるかが変わってしまう。
そうだとすれば、できれば健康に暮らせる場所に住みたいというのが人情というものです。
そのような「場」に健康的で快適な家を建て、そこに住むことが望ましい姿ですね。

現代では、そのような土地を自由に選ぶことはできませんし、買えるわけでもありません。
そもそも、そんな情報が陽の目を見ることはほとんどありません。
土地を健康の観点から選ぶことに限界があるとすれば、後付けでもよいので良い環境に変える事ができないか、という点に到達します。
もちろん、科学的に全てを解明することができているわけでは有りませんが、抗酸化度を判定する方法により、「場」の良し悪しを測る方法があります。

健康に暮らしていくために、住む建物だけでなく、建てる場所=土地が重要であることを皆様にもぜひ知って頂きたいと思います。
今まで、私たちは地表面と地中の電位差をはかり、「場」の抗酸化度を計測するという方法で、土地環境の客観的判定を行ってきました。

2000を超える土地環境を調査してきましたが、良好といえるようなレベルの土地は多くありません。
その大半は中庸、良くも無く悪くも無くという状況ではありますが、極まれにですが、相当に悪い土地を見つけることもあります。
そのような土地にどんなに良い住宅を建てたといっても、本当に住まい手の健康を満たすことができるといえません。

土地環境に良し悪しがあることはある程度客観的に判定することができます。
健康生活を実現するためには、住まいを建てる上で土地環境が良好であることは大変重要といえるでしょう。
そして、そのような視点で土地を選ぶことができない以上、あとからでも環境改善をする方法が必要であること、そのために「炭素埋設法」という有効な手段であること。
その具体的方法と効果の違いについては、別の機会にご紹介したいと思います。

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