抗酸化技術

その体調不良は「空気」が原因かもしれません

  私たちがひと時も欠かさず吸っている空気。では、いったい一日でどのくらい体に取り入れているのでしょうか?

その答えはなんと約15~20㎏

これは実に飲食物のおよそ10倍の量です。
しかも、子どもは体重あたりで、大人の倍の量の空気を吸っているというから驚きです。
呼吸する空気の質が、健康に大きく影響を与えていることは明白です。


室内の空気は、建材や家具などから発生する化学物質やホコリ、ダニの死骸、カビの胞子、
ウイルスなどで汚染されていることがあります。

酸化のメカニズム

地球をとりまく大気には約21%の酸素が含まれています。生物はその酸素を利用することで様々な機能を獲得し、生命を維持してきました。人は24時間呼吸をすることで、酸素を体内に取り入れていますが、その一部は不安定で、多くの物質と反応しやすい活性酸素に変化します。

この活性酸素は、細胞を傷つけることで老化・がん・動脈硬化・その他多くの疾患をもたらす重要な原因となります。

生活習慣病全般
脂質や糖質、たんぱく質などが酸化し細胞が変質すると本来の役割が果たせなくなります。
代謝が低下しメタボリックシンドロームや、循環器系の疾患、その他生活習慣病に直結するといわれています。
動脈硬化
血中に増えてしまった活性酸素を取り除こうと作られた物質が、血管内にコレステロールの塊を作り動脈硬化が起こる可能性があります。
がん
活性酸素が酸化作用により細胞を変質させ、結果としてがんの促進につながることも研究されています。

酸化と還元(抗酸化)

 

呼吸によって体内に取り込まれた酸素の約1〜2%が活性酸素になります。活性酸素は正常な量なら免疫力として、私達の体を守ってくれますが、過剰に発生すると細胞を攻撃(電子を奪い酸化させる)してしまいます。すなわち、活性酸素は、電子が不足した状態で不安定なため、他から電子を奪おうとします。そのため、身体が活性酸素過剰になると、身体から電子を奪うので酸化を促進します。

・酸化とは、化学的には電子を失うことで、簡単に言うと「錆びついた状態」になることです。
・還元とは、化学的には電子を得ることです。

還元作用(電子を受ける) 酸化作用(電子が失われる)
人体 リフレッシュ 疲れ、老化、病気
植物体 生育良好 長持ち 生育不良 腐る

 

酸化を抑制すること(抗酸化)

本来、人にはこの活性酸素の害を防御する抗酸化作用が備わっています。その代表が抗酸化酵素=SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)で、毒性のある活性酸素(スーパーオキサイド)を無害化します。しかしながら、体内で作られるSODの量は加齢とともに減少し、40歳前後から低下することが分かっています。最近は、人工建材や電磁波発生源に囲まれた住環境が多く、活性酸素が過剰となり酸化ストレスが溜まってしまうことも影響しています。

対策としては、体外から抗酸化成分を補い、抗酸化力を高めておくことです。まず考えらえれるのは、抗酸化物質を取り入れ活性酸素を無害化することです。例えば、ビタミン類などの抗酸化物質を摂取することや、抗酸化環境に住むことで、活性酸素の悪影響を減少させることが可能です。

住環境は酸化と密接に関連しています

実際、人の呼吸する空気のうち約6割が住居内の空気といわれています。

住環境における酸化を促進してしまう主な要素としては

・建材から揮発する化学物質
・ハウスダスト
・繁殖するカビやダニ
・配線や家電等から発生する電磁波
それらに加え、
・不十分な換気
が代表的なものとなります。

これら、酸化促進要素となるものをできるだけ取り除くこと。
これが空気質対策となります。

例えば、調湿作用あり、人間に近い素材である自然素材を優先的に使うこと、
換気を適切に行えるような設計配慮はカビダニの防止にも効果的です。
その他、酸化を抑制する資材を活用することなども考えられ、
これらは空気質対策として有効に機能します。