適正素材

適正な素材を選ぶ

戦後、住宅の工業製品化が進み、機能性を重視した木材以外の建築材料や、便利な建材が一般的に使われるようになりました。これらの材料は、最先端の技術で生み出されるのですが、その材料や塗料そして接着剤などに、空気中に揮発して人間に悪影響を与える揮発性有機化合物VOC(Volatile Organic Compounds)が含まれ、それが室内空気中に放散されることで問題となりました。

また、住宅性能の向上が叫ばれ、高断熱・高気密化が推進され、冬も暖かく一年中を快適に過ごす住宅がつくられるようになった一方で、その構造は、昔に比べて風が通りにくく、湿気をこもらせることにもなっています。それが結露などの不具合を生み、材料の劣化を招き、アレルギーの原因になるダニの発生の元にもなっています。

さらに、害虫を防ぐための処理に使用される薬剤も、人体に害をもたらすものがあることがわかってきました。

肌に触れるものは極力自然に近い安全な素材を活用すること。
技術の進歩を受け入れ高性能な素材をうまく使い合わせること、
適材適所、現代生活に合致した素材選びが重要です。

当協議会が考える適正素材

VOCを含まないもしくは少ない素材
自然調湿作用のある素材
漆喰・珪藻土・土壁・木材・炭・ゼオライト 等
防虫性のある素材 木材 等
ガス吸着性のある素材 漆喰・珪藻土・土壁・木材・炭・ゼオライト 等
防火性のある素材 珪藻土・漆喰・表面が炭化した素材 等
断熱性・吸音性のある素材 セルロースファイバー 等

なお、自然素材であれば、すべて安全というわけではありません。無垢床材でも表面塗装によってはそれによる悪影響がありますし、自然の吸放出性能は期待できません。特に輸入品で防腐防虫処理などに薬剤が使われていることで、人工建材以上にその悪影響を受ける可能性があります。
また床材などに塗布する自然塗料も様々な種類があり、ものによっては強烈な臭いやVOCを出すものがありますので、使用に際し注意が必要です。