抗酸化とアトピー性皮膚炎について

活性酸素がアトピー性皮膚炎の関わり

活性酸素がアトピー性皮膚炎の関わりに深くかかわっていることは良く知られています。
子供だけでなく大人でも多くの方が悩んでいるアトピー性皮膚炎は、工場から排出する公害物質、排気ガス、大気汚染などの都市公害が深くかかわっていることは否定できません。そして、これらの公害物質のほとんどが活性酸素の発生源と考えられます。

さらに、アトピー性皮膚炎の人は、抗酸化物質を活性化する力が平均値より低く、不飽和脂肪酸も多く蓄えていて、これが活性酸素により過酸化脂質に変質します。その影響で皮膚の角質層の保湿機能が低下し、皮膚が乾き、アトピー性皮膚炎が悪化します。ですからアトピー性皮膚炎を抑えるためには、脂肪分の摂取を抑え、不飽和脂肪酸を過酸化脂質に変質させる活性酸素を抑えることが重要と言えます。

そして、この活性酸素を抑えるためには、活性酸素発生源を排除し抗酸化対策することが重要となります。

活性酸素の発生源

1.身体の内部、いわゆる細胞内
体内に摂取された酸素は、ほとんど細胞内のミトコンドリアでエネルギーを得るために使われ、その過程で活性酸素を発生させます。
ですから、無酸素運動(激しい運動)をすると、多量の活性酸素が発生することになりますので、無酸素運動は好ましくありません。
逆に、ジョギングなど有酸素運動は、身体の代謝を向上させ、活性酸素を抑える酵素の分泌を促進するので「活性酸素対策」に有効です。

2.化学合成品、環境物質
問題は、近年、防腐剤、乳化剤、着色剤、保存料、化学肥料、残留農薬、発癌性物質、排ガスなど、これらの活性酸素を多く発生する物質が増えていることです。
電子を奪われバランスを崩すと健康に影響が発生しやすい体内環境と言われています。

3.メンタル面
ストレスが増えると活性酸素が増えます。しかしストレスがない状態にすれば言われますが、そう簡単には行きません。
ですからストレスを上手く発散する方法は非常に大切です。
また、出来れば多少のストレスに耐えられる様にメンタルを強くすることも必要でしょう。

4.各種の電磁波
電磁波も大きな活性酸素発生源となります。
パソコン、携帯電話などの電子機器から発生する電磁波、電子レンジなどの調理器から発生する電磁波、送電線、携帯電話などから発生する電磁波、太陽光線、放射線など、電磁波の発生源は増える傾向にあります。
しかし、電磁波と言っても大変広い周波数帯を持っていますので、すべてが悪影響では有りません。
電磁波過敏症を訴える方もおられますから、対策は出来るだけ施しておくことをお勧めします。

抗酸化で活性酸素を抑制

活性酸素がアトピー性皮膚炎の原因であるならば、「酸化」を「抑える」力を持った物質、いわゆる抗酸化物質を活用して活性酸素の増大を抑制する事が効果的と考えられます。
抗酸化物質は酸化されやすい性質、つまり電子を奪われやすい性質を持っています。
そのため、活性酸素が細胞から酸素を奪おうとした時、抗酸化物質が代わりに、電子を奪われて酸化されます。
こうして、抗酸化物質により、活性酸素の猛毒から、細胞を守ることが出来るのです。
細胞膜は脂質ですので、抗酸化物質としてはビタミンE、β-カロテンなどの油溶性の抗酸化物質が、細胞膜に溶け込むため効果的です。これらの油溶性の抗酸化物質が活性酸素から細胞を守ります。
結果的に、ビタミンE、β-カロテンなどは酸化されます。
その後、水溶性のビタミンCが、酸化されたビタミンEなどに電子を与え、元に戻し、再びビタミンEなどが抗酸化物質として働くようになります。
抗酸化物質が活性酸素から細胞を守るのは以上のようなメカニズムによるものです。

室内空気環境が大きく影響

人は一日に食物の約5倍の空気を体内に取り入れます。
安らぎの空間でもある、住まいの空気環境は身体に影響を与える最たるもの。
そこが酸化していれば、アトピー性皮膚炎にも悪影響を与えることでしょう。
特に、住宅室内は人工建材や家電製品に囲まれ他空間は活性酸素が過剰になりやすいといわれています。
過剰な活性酸素を除去し、抗酸化環境にすることも可能です。
飲食物とともに、生活周辺環境を変えることは、改善に向けた第一歩。ぜひ取り組んでみてください。

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