2度もノーベル賞を受賞している天才学者ライナス・ポーリング博士【化学賞・平和賞】。
「電子レンジで調理された食品のタンパク質は、L型アミノ酸が自然界にはないD型アミノ酸に変化しており、代謝不可能となっている。それが原因となって、きわめて有害な活性酸素の発生が促進される。」と言う話が多くのホームページ等で紹介され、電子レンジ自体があたかも危険であるかの様な表現がされています。
そもそもこの「ライナス博士の指摘」は本当なのでしょうか?
まずは電子レンジの仕組みから
電子レンジは電磁波の電界成分を利用した加熱装置で、飲食物に含有している水分子を摩擦熱で加熱します。
水分子は水素と酸素がV字形で結合している分子であり、これに電磁波を当てることで、水分子が向きを変化させます。この向きの変化が、電磁波の周波数が高くなるほど高速化し、分子内に大きな摩擦熱が発生します。
電子レンジに内蔵されている真空管(マグネトロン)により、2.45GHzの高周波が発生させています。
2.45GHzの高周波は、1秒間に24億5000万回プラスとマイナスが入れ替わる周波ですから、水分子が同じ回数分振動します。
この高周波は金属体を反射し、プラスチックやセラミックスを透過する性質がありますので、反射・透過を繰り返し、食品などの水分子に電磁波がぶつかり、振動発熱をおこなっています。
なぜ、2.45GHzなのでしょうか?答えは水分子をよく振動させる周波数だからです。
物質には固有の振動数がありますが、2.45GHzは水の振動数と同じ、つまりよく共鳴するということなのです。
この周波数の電波をマグネトロンという装置を使って電子レンジ内部に放出します。
電子レンジは水分子を振動させることで熱を持たせるしくみで物をあたためます。
ですから、水分を全く含まない物質は電子レンジに入れてもちっともあたたかくなりません。
そこがヒーターや電熱線で物をあたためる機械との違いです。
電子レンジの調理で細胞破壊説について
茹でたとレンジの場合を比べたら、フラボノイドの破壊がレンジは97%、茹では60%という話もありますが、これは、「大量に水を加えて」電子レンジにかけた実験の結果です。
通常では無い使用状況でのデーターをあたかも通常使用で起きている事の様に表現されているようです。
だからといって電子レンジが無害と決めつけている訳ではありません。
ただ、情報には気を付けて対応することが大切ではないかと思います。
家電製品の電磁波の影響
電子レンジは高周波の強い電波を発して物を温めます。同様に人間も高周波の強い電波を受けることで、体温が上がる可能性が指摘されています。それとは逆に“高周波ダイエット”としてこの体温上昇を活用するものも出ています。
要は使い方や環境により電磁波から受ける危険性について、再確認する必要があるのではないでしょうか?
本テーマにおいても、色々な見解があります。それの是非はともかくとして、活性酸素が体に悪影響を与えているということは医学的に間違い無いと思います。世間では様々な情報に溢れています。
何を信じれば良いのか解らなくなる時があります。間違った情報を伝えてしまわない様に今後も気を付けたいものです。